現在では民間の人も宇宙へ行くことが可能になってきていますが、
1ヵ月間の宇宙旅行をしたマウスの腎臓から興味深い発見がありました。
それは東北大学やJAXAなどの研究チームが発表したもので、
宇宙旅行から帰還したマウスの腎臓で血圧と骨の厚さを調節する遺伝子の働きが、
地上にいた場合と変動しているということを発見しました。
加えて、宇宙旅行では血液中の脂質が増加する事で
腎臓内では脂質代謝に関係する遺伝子が増加していたのです。
通常、地上にいる時は重力に逆らって血液を循環させたり、
姿勢を保つ必要があるためエネルギーを消費します。
しかしながら、宇宙のような重力がほとんどない空間ではエネルギー消費が低下します。
そのため体内の脂質が通常よりも余った状態になるのです。
そこで腎臓が血圧や骨量の調整をしながら余った脂質を代謝、排泄する役割も担っていたのでした。
今後気軽に宇宙旅行ができるような時代になるかもしれません。
しかしその一方で宇宙環境は地球とは大きく変わるため人体への影響を解明していくことが必要になります。
今回の結果から、宇宙環境では腎臓が大きな役割を果たすことが明らかになりました。