健康寿命が延びる!? 緑茶がもたらす効果

学術雑誌「Nutrients」にて、国立健康・栄養研究所が緑茶と健康に関する発表を行った。

解析の結果によると、緑茶は「要介護予備軍」とも言われる「フレイル」状態を予防する効果があるとのことだ。
フレイルとは「虚弱」を意味し、身体・認知機能が低下した状態のことを指す。

緑茶の摂取頻度と有病率

今回の研究は京都府亀岡市に居住する65歳以上の高齢者5,668人を対象として行われた。

同研究所は、緑茶の摂取頻度についてアンケートを取り、「ほとんど飲まない」、「1日1杯未満」、「1日1~2杯」、「1日3杯以上」に分けて記録した。

すると緑茶の摂取頻度が高いグループは、より高齢で、エネルギー摂取量が多く、果物や野菜の摂取頻度も高く、現喫煙者は少なく、またコーヒーの摂取頻度が高い傾向が見られた。
また、フレイルの有病率は男女ともにおよそ30%だった。

フレイルリスクに影響を与え得る因子(年齢、BMI、摂取エネルギー量、喫煙・飲酒習慣、コーヒー摂取量など)を調整すると、男女ともに緑茶摂取頻度が高いほどフレイル有病率が明らかに低くなる傾向がみられた。

特に、男性では認知機能や口腔機能と緑茶摂取頻度の間に関係性が見られた。
また女性では、認知機能・口腔機能だけでなく運動機能との関連性も見られた。

なお、女性の場合、低い緑茶摂取頻度でもフレイル有病率が低下する傾向が認められた。
これに対しては、女性ホルモンが関係していると考察されている。
なぜなら緑茶に多く含まれる栄養素の抗酸化作用は、女性ホルモンの低下による全身の慢性炎症傾向に効果があると考えられるためだ。

「体に良い」と言われてきた緑茶。
その効果が明かされることにより、さらなる有効活用が期待される。

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