脳のナゾを解き明かす?計算する脳とニューロンの「発火」について研究チームが発表

足し算や引き算は小学校1年、もしかすると入学前にはもうできるようになっているほどの、初歩的かつ必要不可欠なスキルだと言える。

しかし、このような計算をするときに脳で何が起こるかは、まだほとんど解明されていないのが事実だ。

そして今回、ドイツのボン大学とテュービンゲン大学によるCurrent Biology誌での発表が、この謎を明らかにしつつあるという。

カギは「てんかんの研究」?

カギは、てんかんに関する研究だった。
ボン大学病院では、てんかん患者の脳の手術を専門としている。
一部の患者において、発作は常に脳の同じ領域から発生している。
この部位を正確に特定するために、医師は患者に電極を埋め込み、ニューロンの活動を測定できるようにした。

男女合わせて9名が、神経細胞の活動を記録するために研究へ参加した。
被験者は脳の側頭葉に電極を埋め込んでおり、実験では、彼らに簡単な計算作業を実施してもらった。

ボン大学病院てんかん学部の報告によると、ニューロンの発火(=他のニューロンに信号を送ること)は、足し算をするときと引き算をする時では異なることがわかった。

過去にも、サルを使った実験により、ある特定の計算をするときのニューロンが脳内に存在することがわかっている。
しかし、ヒトに関するデータはこれまでほとんどなかった。

研究チームは、今回の研究は人類の最も重要な能力の1つである「数字の計算」をよりよく理解するための重要なステップだと語る。

2つの大学のチームは、神経細胞がどのような役割を果たしているのかを、さらに正確に調査していくこのことだ。

最新情報をチェックしよう!