皆さんご存知ですか？
“懐かしさ（ノスタルジア）”には、ストレス解消や幸福感の高まりなどといった効果が報告されています。
近年では、高齢の方を対象に懐かしいという感情を応用した治療が行われたりしている程、私達にとってプラスな効果がたくさんあるそうなのです。
そんなノスタルジアですが、中国の最高研究機関と呼ばれる中国科学院から、このほどこんな興味深い研究が発表されました。
それは、懐かしいという感情が高まるほど痛みを感じにくくなるというのです。
研究チームは、強さのレベルが異なる熱刺激に対して、懐かしいという感情が与える鎮痛効果を調査の目的として、実験を行いました。
対象は34名で、懐かしいという感情を引き出すように子供の頃の物や風景の画像を見てもらい、その際の脳の動きをMRIで記録しました。それと同時に参加者に痛みを感じる熱刺激を与える温熱装置を腕へと装着させました。
その結果、懐かしい画像を見ている時は、そうでない時に比べ、与えられた熱刺激のレベルを弱く感じ、痛みも緩和されていることが分かったのです。
特に、痛みレベルの一番低い時がさらに顕著であり、反対に一番強い痛みに対しては鎮静の効果が見られなかったと言います。
このことから研究者らは、刺激が強すぎるとそのことで頭がいっぱいになり、懐かしさに対しての鎮痛効果が薄れるのだと述べています。
続けて、将来的には薬物を用いらないでも良くなるように研究を続けていきたいと報告しました。
もし軽い頭痛や痛みを感じた際は、懐かしいものを観たり、聴いたりしてみてはいかがでしょうか。
