うつは認知症を引き起こす!?精神衛生と認知症の因果関係を調査した結果

2020年の統計では、世界の認知症患者数は5500万人以上に上るという。
またさらに、毎年1000万人の患者が新たに発生していると推定されている。
これは、3秒に1人の割合で発症している計算になる。

今回、アメリカのミシガン大学、デューク大学 、ニュージーランドのオークランド大学は共同で、21歳~60歳のニュージーランドの170万人を対象とした長期研究を発表した。

研究チームは病院の記録と人口データベースをもとに、1988年から2018年までの30年間における個人の健康状態を追跡した。

そして調査の結果、精神的な健康状態が後年の認知症と強く関連していることが分かった。

精神衛生と認知症の因果関係

若年・壮年期のうちに精神衛生上の問題を抱えていると、認知症を始めとした健康に悪影響を及ぼす可能性は確実に高まるという。
精神衛生上の問題とは、主に精神病性障害、気分障害、神経症性障害(不安症)、生理障害、人格障害、発達障害、行動障害などが挙げられる。

この研究では、精神的健康状態がその後の主要な認知症と強く関連していることが明らかになった。
ちなみに主要な認知症とは、以下を指す。
・アルツハイマー型認知症
・非アルツハイマー型認知症
・早発型認知症
・遅発型認知症

調査した全グループのうち、3.8% (64,857人) が精神的健康状態に問題があるとされた。
そして2% (34,029人) が認知症と診断された。

そして精神障害を持つグループの6%強が、観察期間中に認知症を発症したことがわかった。
一方で、精神的に健康なグループでは、認知症を発症したのはわずか1.8%となった。 

そして驚くべきことに、精神衛生に問題がある方が、慢性的な身体疾患を持っていることよりも認知症のリスクをはるかに高めるという。

研究者の一人、Rakerd氏は
「若者の心の健康を支援することは、高齢者の認知症を軽減する可能性がある」と述べた。

また今後の研究については、認知症の原因を追うには15〜20年という長期的な調査が必要になるという。
因果関係を調べるためにも、今回のような縦断的な研究に注目が集まる。

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