ダイエットしようと思ったら、普通の料理よりも低カロリー表示のある料理を選ぶ人が多いのではないでしょうか。
しかし、その選択はもしかすると逆効果かもしれません…!
米ペンシルベニア州立大学の研究チームによると、人は低カロリー表示のされている料理を通常に比べて、より多く摂取してしまうというのです。
研究では、18歳~65歳の成人37名(うち男性19名、女性18名)を対象に行われました。
まず、昼食としてパスタやサラダを用意し、11時~14時30分の間に好きなタイミング・好きな量で食べてもらました。その後影響が出ないよう2週間以上の間隔を空け、再度同じ条件で食事をしてもらいました。2回の実験のうち1回は、カロリーが低いと分かる”Light”というラベルを料理に添え、別の回にはカロリーが高いと分かる”Filling”というラベルを添えました。
しかし、実際には同じ量を食べた場合、カロリーが同じになるように調理されていたのです。
その2回を比較した結果、対象者は”Filling”の時に比べ、”Light”と表示されていた食事の時の方が多く摂取し、カロリーもより高いことが分かりました。
加えて食後に実施したアンケート結果から、”Light”とラベルが添えられていた場合は満腹感が弱いという傾向にあったそうです。
この結果を受けて、研究者のPaige Cunningham氏は以下のように述べました。
「低カロリーと表示されることで、人々は普通よりも多めに食べてしまうのかもしれない。この効果を応用すると、カロリーが不足気味のお年寄りに食事摂取を促す手段のひとつとなるかもしれない。
一方で、ダイエット目的に人に選ばれるよう低カロリーのような表示をすると、影響が裏目に出てしまい摂取カロリーがより高くなる可能性も考えられる。」
加えて、同氏はこのように締めくくりました。
「自分が食べるべき量を把握して、食品を購入する際は広告などの言葉をあてにしないことが大切だ。また、我々は食事の楽しさと満腹感は比例していると考える。
ダイエットや健康的な食生活をいくら食品ラベルのデータを参考に実施しても、それが楽しくなければ長続きしないだろう。」
食事を健康的にしたり、ダイエットを目的にしている人は、食品表示よりも自分の適切な量や質を把握することから始めるべきかもしれません。