近年は新型コロナウイルスの流行により、咳などの風邪の症状が出ると、不安になってしまうことが増えました。
一概に風邪といっても原因や症状も様々なため、診察してもらうまで安心はできません。
日々多様な風邪を診察している医師の皆さんは、風邪についてどのように考えていらっしゃるのでしょうか?
そこで今回、やっくん先生にお話を伺いました!
救急医
ER診療全般、特に敗血症(感染症)、中毒、血管性浮腫の診療を得意とする。
著書「やっくん先生の そこが知りたかった中毒診療(金芳堂)」、「@ER×ICU めざせギラギラ救急医(日本医事新報社)」など。
―――先生が思われる「風邪の診察の難しさ」とは、どこにあるのでしょうか?
やっくん先生:
ウイルス性の上気道炎を風邪症候群と呼びます。
ウイルスの種類は多岐に渡り、ウイルスの種類によっても症状が異なる上、上気道炎以外の症状も合併する事があります。
そしてウイルスの検査は通常行いません。
確定診断が困難であり、基本的にはより怖い病気を除外した上でたどり着く、いわゆる除外診断になります。
診断基準も特にありません。
いかに他の疾患の可能性を広げられるかという挑戦状を受け取り続けているようなものです。
ウイルス性の上気道炎を風邪症候群と呼びます。
ウイルスの種類は多岐に渡り、ウイルスの種類によっても症状が異なる上、上気道炎以外の症状も合併する事があります。
そしてウイルスの検査は通常行いません。
確定診断が困難であり、基本的にはより怖い病気を除外した上でたどり着く、いわゆる除外診断になります。
診断基準も特にありません。
いかに他の疾患の可能性を広げられるかという挑戦状を受け取り続けているようなものです。
―――様々な可能性を考慮されつつ、日々「風邪」の診断は行われているのですね。先生が風邪について学ぶ上では、どんなことを大切にされていますか?
やっくん先生:
風邪症状を呈する風邪以外の疾患を学ぶ事です。
風邪症状を呈する風邪以外の疾患を学ぶ事です。
―――風邪以外の疾患を学び、アップデートしていくことが重要なのですね。
また、SNSでの情報発信のほか、先生のクリエイティブな講義風景に、大変驚きました!インフルエンサーとしての発信や、研修医教育の際に意識されていることについて、ぜひお聞かせください。
やっくん先生:
楽しんでもらうこと、興味を持ってもらうことです。
まずは話を聞こうかなという姿勢がなければ聞いてもらえません。
世界的なバイオリニストがホールでコンサートするのと路上でコンサートをするのでは、客側の対応が変わります。
通り過ぎてしまう人がほとんどかもしれません。
環境はもちろん大事ですが、聞く準備ができていないと聞いてくれないです。
くらいついてくれたら、次の楽しみを提示しつつ、学び続けていただけるように情報を出しています。
そこで完結しない事は重要だと思います。
楽しんでもらうこと、興味を持ってもらうことです。
まずは話を聞こうかなという姿勢がなければ聞いてもらえません。
世界的なバイオリニストがホールでコンサートするのと路上でコンサートをするのでは、客側の対応が変わります。
通り過ぎてしまう人がほとんどかもしれません。
環境はもちろん大事ですが、聞く準備ができていないと聞いてくれないです。
くらいついてくれたら、次の楽しみを提示しつつ、学び続けていただけるように情報を出しています。
そこで完結しない事は重要だと思います。
―――やっくん先生、本当にありがとうございました!
風邪の診察について、先生の「いかに他の疾患の可能性を広げられるかという挑戦状を受け取り続けているようなもの」というお言葉が印象的でした。
それほどに風邪の診断は難しいものなのですね。
自己判断で軽い風邪だと決めつけず、きちんと受診することが大切だと改めて実感しました。
また講義や発信における「聞き手」の存在についてのご回答は、医療だけでなく、多くの表現者が意識すべきベースと言えるでしょう。
やっくん先生は Twitterにて、ER診療全般、中毒、血管性浮腫などの診療を中心に情報を発信されています。
また、日経メディカルオンラインでのコラム「だから救急はおもしろいんよ」の執筆や、Yahoo!ニュース個人オーサーとしてもご活躍中です。
ぜひチェックください!