アメリカエモリー大学で面白い研究結果が発表されました。
この研究は3~12歳の孫を少なくとも1人以上持つ50人の女性を対象に行いました。
研究内容としては、質問票への回答と孫を始めとした人物の写真を複数見ている間の脳機能の変化を調査したものになります。
その結果、自分の孫を見ている時は他の写真を見ている時に比べ、ほとんどの対象者が情動的共感(※1)とそれに関連した脳領域が活性化したことが明らかになりました。一方で成人した自分の子どもを女性たちに見せたところ、認知的共感(※2)に関連する脳領域が活性化したそう。
このことから研究者は成人した自分の子どもの考えは感情、理由について推測する際に子供の視点に立ちながらアプローチしているようだと推察。しかしながら孫が笑えば祖母である女性も喜びを感じ、孫が泣いていれば女性も悲しきや痛みを感じるなど、孫が感じることに自分も順応していることを示していると報告しました。
心理学用語集
※1 情動的共感:相手の考えや感情を自分のことのように感じること。例としては、1人の赤ちゃんが泣くと、周りにいる赤ちゃんもつられて泣いてしまうというのも情動的共感によるものと言われている。
※2 認知的共感:相手の考えや感情を自分のものとしてではなく、「相手は悲しんでいるのだ」と理解したり相手の視点に立って推測すること。