この程アメリカのバージニア大学から、興味深い研究が報告されました。
その研究とは”アルコールががんのリスクを高める”ということを知っている人がどれくらいいるのかというものでした。
そして実態としては、ほとんど知られていないということが判明したのです。
アルコールは体に良くないと知っている人は多いでしょうか、”がんのリスクを高める”ということまで知っている人は日本でも少ないのではないでしょうか?
2016年に世界中で亡くなった方はおよそ300万人と言われていますが、その中でなんと約37万8,000人(12.6%)の方がアルコールがきっかけのがんによって亡くなっていたのです。
さらに現在までの研究で、少なくとも以下のがんはアルコールによってリスクが高まると報告されています。
・乳がん ・大腸がん ・口腔がん ・食道がん ・肝臓がん など
今回の研究では、アメリカの方々ががんや健康などに関する情報へのアクセス状況などを把握するために実施される横断調査のデータから2020年のものを解析しました。
対象は3,865人で、調査項目にはアルコールを摂取することでがんのリスクが高まることを知っているかと、リスクを告知することを義務化するという施策に対する考え方についても問うような質問が含まれていると言います。
調査の結果、まず、アルコールががんのリスクを高めると知っている人は31.8%しかいなかったようです。
さらにアルコールの種類別でも認知度を調査したところ、
ビールががんのリスクを高めると知っていた人は24.9%と低くなり、
ワインががんのリスクを高めると知っていた人はさらに低い20.3%という結果になりました。
また、アルコールのリスクを告知する事を義務化する施策については
・アルコール製品に警告ラベルを付けることに賛成な人・・・65.1%
・飲酒についてのガイドラインを策定する事に賛成な人・・・63.9%
といずれも6割以上がアルコールの危険性を広める事には賛成のようです。
さらに考え方の傾向としては、アルコールのがんリスクを以前から知っている人はこのような施策を強く支持していました。しかし、その反対に日常的に飲酒量が多い人はあまり強くは支持しないということも明らかになったそうです。
以上の結果から、Kara Wiseman氏らは報告の中で以下のように述べています。
「今回の研究などから、人々がアルコールを摂取し続けるかどうかを十分判断できるように、アルコールに潜んでいる危険性を一般の人へより広く伝えていく必要がある。」
お酒好きな方が周りにいらっしゃれば、是非この危険性について話し合ってみてはいかがでしょうか。