今や精神疾患は、糖尿病などと並ぶ5大疾病とされている。
厚生労働省によると労災認定の数も増加しており、また申請の数も同じく多い。
仕事を介して心に不調をきたす例が多いことを示している。
また精神科や心療内科といった心に関する医療機関はおよそ6000か所、患者数は400万人以上となっている。
心療内科の数も平成8年(1996年)に診療科として認められて以降、ほぼ右肩上がりで増加している。
心に関する医療機関は、この20年の間に14倍となっており、需要の高まりがうかがえる。
心療内科と精神科の違いとは?
一般的に心療内科では、心理的な要因から身体に症状が現れる「心身症」が主な対象となる。
特定の場所や状況で体に不調が出る(腹痛や吐き気など)のは例の一つだ。
内科などを受診し、特に異常はないが身体の不調が治らない場合は、心療内科を受診してみるのがおすすめだ。
一方、精神科は、精神疾患を専門に扱っている。不安や落ち込みに始まり、妄想・幻覚・パニック障害や依存症、統合失調症など専門的な治療を行う。このような心の症状がはっきりとある場合は精神科を受ける。
また、人間関係や仕事へ支障が出ることを恐れて「通院しているのを知られたくない」と隠す人は少なくない。
しかし、うつをはじめとして精神疾患は身近なものであり、受診することは決しておかしなことではない。
より気軽に受診やカウンセリングへの相談ができる環境づくりが、今求められている。