どの世代でも睡眠は大事であると言われていますよね。
しかし10代の若者に関しては身体的な悪影響だけではないと、米メリーランド大学が発表しました。
研究によると、10代は睡眠が足りなければメンタルヘルスが低下し、睡眠障害と精神障害を引き起こしてしまうというのです。
メリーランド大学のワン・ゼ氏は、脳にとって毒性のあるアミロイドという老廃物が短時間の睡眠不足でも脳にくっついてしまうという論文に目を付け、睡眠の重要性に着目しました。
と言うのも、そのアミロイドが排出されるのは夜横になって眠っている時だけだというのです。
そのため、特に脳が発達途中である10代の若者は、睡眠不足で脳に受けるダメージが他の年代よりも大きいという可能性があります。
そこで、ワン氏らは2016年から開始された縦断研究のデータをもとに解析しました。
対象は9～10歳の若者約12,000人であり、この研究ではMRIの検査データや質問票によるチェックリストの診断データなどを用いりました。
その結果から、10代の若者が重い睡眠障害を持っている場合、1年後に精神面での問題が増加したということがわかりました。また、反対に精神的な問題を抱えている場合、その後に睡眠障害が増加する傾向にあったようです。
このことから、精神障害と睡眠障害が相互に関係しあっているということが示されました。
研究チームでは、睡眠不足がきっかけとなり脳内の神経ネットワークの繋がりが変化したことで2つの問題が引き起こされていると指摘しています。
脳内では、集中している時に活性化するネットワークとボーっとしている時に活性化するネットワークがあります。
この2つは、どちらかが活性化しているとき、その一方は休んでいる状態になっています。
しかし、睡眠障害と精神的な健康問題を持つ子どもは、これらが繋がった状態になっていたというのです。
さらに、睡眠不足が長期化してしまうと、脳などに深刻な悪影響を永久的に与える可能性があるとワン氏は述べています。
今回の研究から、若い時の睡眠は特に重要であると分かりました。
体力もあるため、ついつい徹夜での勉強や夜更かしをしてしまうことがあるかもしれません。
しかしそんな軽い気持ちからの睡眠不足が、後々負の遺産となるため10代の方はくれぐれもお気を付けください。
