「よく噛んで食べましょう。」
幼い頃、そう教えられた人は多いのではないでしょうか。しかし、咀嚼が少ないことでどのようなデメリットがあるかを説明できる人はあまり多くないでしょう。
この程、新潟大学らの研究チームが咀嚼とメタボリックシンドロームになることの関連性を明らかにしたと発表しました。
メタボリックシンドローム(メタボ)とは?
メタボリックシンドローム(通称:メタボ)はメディアやネットでよく耳にする機会があります。
これは内臓が肥満状態であったり、高血圧・高血糖、脂質代謝異常などが組み合わさり、糖尿病などの生活習慣病一歩手前の状態を指しています。主な原因としては、運動不足や栄養の偏り、肥満などが挙げられます。
研究について
この研究では平均4.4年の追跡期間を設け、元々メタボでない男女599人(男性254人、女性345人)を分析の対象として研究を進めました。
方法としては咀嚼能率(専用に開発されたグミゼリーを30回噛んで増えた表面積を算出)を測定しました。
その結果、咀嚼能率が低い男性は新たにメタボとなった罹患率が2.24倍であったといいます。
なお、女性においては閉経期以降のホルモン変化や食習慣などの影響が大きいと考えられ、統計学的に有意ではありませんでした。
この結果から、より具体的な指導や改善プログラムが提案できると研究者は語ります。