イギリスでは2021年末までに、NHS(国民健康保険サービス)のメンタルヘルスケア機関への紹介件数が、過去最多に達したとの報告があった。
その背景にはやはり、パンデミックの影響がある。
NHS Digitalによると、2021年に430万件もの紹介があったという。
そのうちの多くが、不安症や抑うつ症状を理由としたものだった。
オミクロン株が英国全体に広がった際には、NHSは2021年12月に180万件のメンタルヘルスコンサルティングを提供した。
しかし、さらに140万件もの待機が生じていたとの報告があるなど、リソースとスタッフの不足は未だ深刻だ。
医療機関の紹介を行う中で、患者が自宅から遠く離れた病院へ行くことを余儀なくされる等の問題も生じた。
政府広報担当者によると、メンタルヘルスサービスの長期的な開発に向け、更に23億ポンド(およそ3600億円)を投じていく考えを示している。
これはイギリスに限った話ではない。
現在はワクチンや薬の開発が進み、各国の規制も緩和されるなど、収束を見せつつある。
しかしパンデミック によって引き起こされたメンタルの問題は、長く尾を引くことが予想される。
問題解決の第一歩として、まずは気軽に「相談」できる環境づくりが求められる。