時間がない時や自炊が面倒な時、自宅近くにあると嬉しいファストフード店。
しかし、 アメリカニューヨーク大学の調査でファストフード店の多い地域では2型糖尿病(※)にかかるリスクが高くなることがわかりました。
逆に、野菜などの健康的な食品を購入しやすいスーパーマーケットの多い地域では、糖尿病のリスクが低くなると言います。
これは元々糖尿病ではなかったアメリカの退役軍人400万人以上を対象にしたもので、居住地域を人口密度の高い都市から農村まで4タイプに分類御、居住地域周辺店舗を業態別に分類・スコア化を行いました。
その結果5年半の追跡期間で、13.2%(53万9,369人)が新たに糖尿病と診断されました。その中で、年齢や性別、経済環境などを調整後、すべての居住地域でファストフード店の密度が高いほど糖尿病になってしまうリスクが高いと分かったのです。
さらに、糖尿病発症のリスクとしてファストフード店が密集する都市では1.01倍に増えたのに対し、郊外のスーパーマーケットが密集するエリアでは0.97倍に減少していることもわかりました。
研究者が強調しているのは、確かに今回の調査で居住地の環境が食生活へ影響を及ぼしていることは言えるが、それだけが健康を左右しているわけではないということです。
自宅での自炊頻度を増やしたり、ファストフード店では栄養価を確認しながら健康的なメニューを選択することが健康改善につながるとアドバイスをしています。
医学用語集
※2型糖尿病
一般的に「糖尿病」と表現されるもので、糖尿病としては最も多いタイプ。
元々遺伝的に糖尿病になりやすい体質であることに加え、運動不足や栄養の偏りや食べ過ぎなどの生活習慣が重なって発症すると考えられているがはっきりとした原因は未だ不明。