病気のカギは「シャンデリア細胞」にあり?脳の発達と幼少期の体験の関係

オハイオ州立大学の研究により、生後間もないマウスの脳の発達に関する新たな研究が行われた。

今回の発見により、幼い頃に経験した出来事の、統合失調症、てんかん、自閉症などへの影響を解明することが期待されている。
過去に行われた研究では、シャンデリア細胞の末端に位置するシナプス末端が、統合失調症患者の脳で減少しているという見解があった。

シャンデリア細胞は、見た目がシャンデリアのキャンドルに似ている細胞で、一度に数百個の細胞を制御する働きを持っている。特に興奮性細胞にブレーキをかける抑制性細胞として、発火の波を調節している。この波には、脳の広範囲にわたって伝達される情報が含まれているため、シャンデリア細胞の働きは大変重要と言われている。

研究チームは今回、脳の皮質部分にあるニューロンの一種、シャンデリア細胞がどのように形成されるかを観察した。
そして、形成を開始するのに必要な化学物質、神経伝達物質アセチルコリンを特定した。

この化学物質とその働きを特定したことにより、どのような環境や感情の変化が脳の発達に影響を与えるか更に探ることができる。

幼児期の体験は、子どもたちの将来の感覚や行動に影響を与えることが知られている。
ニューロンの形成の過程や、神経伝達物質とのつながりを特定することにより、脳の病気が発生する要因や過程を特定することが期待される。

最新情報をチェックしよう!