まだまだ終息の見通しがたたないコロナウイルス。
感染拡大に伴う自粛のせいで、私達に新たな悪影響を生み出しているかもしれません。
それは、ドラマなどの映像を長時間視聴してしまう、一気見依存症です。
後ほど特徴と共に詳しく紹介していきます。
まず一気見という行為は、以前だとDVDなどを直接購入するか、
レンタルをする必要があったため頻繁にできることではありませんでした。
しかしアメリカでは、2013年に「binge-watch(一気見)」という言葉が流行語大賞にノミネートされれるほど一般化。
日本でもNetflixなど定額見放題サービスが普及したことにより、大変気軽になったのです。
このようにコロナ前でもサービスを利用している人は多くいました。
しかしコロナウイルスの流行に伴い、外出自粛やリモートワークの影響から一気見する機会はより増え、さらには依存してしまう人まで存在するという研究者もいるのです。
依存って?
”依存”という言葉はよく耳にしますが、そもそも依存症とは何なのでしょうか。
知られているものとしては、薬物依存症やアルコール依存症、最近ではゲーム依存症などでしょう。
イメージとしてはその行為に対して長期間(もしくは長時間)を費やし、離れられない人を想像します。
しかし依存と認定するには、単純な時間だけではないのです。
アルコール依存症を例にすると、生きていくのに必要なお金までお酒代に費やしてしまったり、仕事に行くことができないほどの飲酒が続きクビになるなど。
人生において重視する社会生活や人間関係などに支障をきたすほどのめり込んでしまい、止めたくてもやめられない状態が依存症の重要な条件となります。
先ほども記述した通り、依存症であると公式的に認めるには時間だけでなく、かなり多くの証拠が必要となるのです。
そのため、一気見が依存症に当たるのかどうかは現在研究段階にあります。
最近ではポーランドの研究チームが、645名の成人した若者(1回の視聴で複数のエピソードを見ることがあると答えた人)を対象に調査を行いました。
その結果、観たいという衝動が制御できない度合いであったり、一気見の影響で計画性が欠如している、目の前にある問題や孤独から逃げる手段として一気見をしてしまうという参加者もいたと報告しています。
加えて、そのような参加者は同時に不安やうつ傾向の人が多いといいます。
現状、公式ではありませんが、将来的には依存症の一種となるかもしれません。
そのため、以下の特徴に当てはまる場合は、一気見という行為からすぐに距離をおくことが大切です。
一気見依存症の特徴
1.一気見という行為が、行動や考え方の中心になるほど人生で重要な事になっている。また、食事や排泄などが後回しになるほど頭がそのことでいっぱいになってしまう。(Salience:顕著な特徴)
2.一気見が気分転換として重要になっている。落ち込んでいても、一気見すると気分が回復する。(Mood modification:気分の変化)
3.仕事や人間関係、勉強に支障が出るほど一気見を優先している。やめたいのにやめられない。(Conflict:葛藤・矛盾)
4.一気見する時間が日ごとに増えている。自分が予想する以上に多くの時間を費やしてしまった。(Tolerance:我慢・耐性)
5.一気見ができないと、イライラして不安定になってしまう。(Withdrawal:離脱症状)
6.一気見を断つことができたが、再開すると以前の状態もしくはさらにのめり込んでしまう。(Relapse:逆戻り)