“ASMR”は不安を解消する⁉ー英ノーサンブリア大学の研究

動画配信サービスの人気コンテンツである”ASMR”ですが、一部の人には不安を減らす効果が見込めるという面白い研究が発表されました。

A beautiful asian woman enjoy listening to music with headphone with feeling happy and relaxed in the park

ASMRとは?

Astonomouse(自律) Sensory(感覚) Meridian(絶頂) Response(反応)の略語です。
意味としては、聴覚や視覚への刺激によって、心地よく感じたり脳がゾワゾワするような反応・感覚の事を指します。
ジャンルとしては「ささやき」「作業音」「咀嚼音」「自然の音」など様々あり、年々増加しているコンテンツと言えます。
ASMRをよく視聴する人によると、癒しとして疲れている時や睡眠導入などを目的としているそうです。

しかし、全ての人に当てはまるわけではなく、効果を感じなかったり耳障りな雑音にしか聞こえないという人もいるのです。
一部の人からは癒しとして認識されていますが、果たして医学的な効果はあるのでしょうか?

研究内容

今回の研究では対象者64名のうち、ASMR経験者36名(ASMRを視聴しピリピリ・ゾワゾワといった感覚を経験した人)と未経験者の28名で不安解消効果があるかを確かめることにしました。
実験方法としては、被験者の性格特性や不安を調べる心理テストをASMR作品の視聴前後で行い、不安レベルの推移について検証しました。

その結果ASMR未経験者には効果がなかったものの、経験者に対しては不安を減らす効果がありました。つまり、ASMRによる不安解消は、ASMRに対して適性がある人に限られるのです。

不安と言っても状況によって生じる「状況不安」と、元々の人格によって生じる「特性不安」の2種類がありますが、そのどちらにも効果があったようです。
加えて、ASMR未経験者に比べ、経験者の方が神経症的な傾向が強いということも示されたのです。(ここで記述した神経症的傾向は病的なものではなく、ストレスを受けた際に落ち込みやすいなど情緒面での不安定さを示しています。)

このことから、ASMRに適性のある人は、現在進行形で不安を抱えている人、あるいは性格的に不安を感じやすい人という事も分かりました。
研究者らは、ASMR作品を用いることによって、不安で苦しむ人に対して、医学的な効果が期待できると考えています。

そして、今後脳波測定やMRIを用いてASMRが脳に与える生物学的な影響を調べることが重要と述べました。

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