仕事や勉強をする中で「どうしても気が乗らない」「やりたくない作業」というのは誰もが経験するものだろう。
そんな時は「ディストラクション法」という手法で解決できる可能性があるという。
いったいどんな手法なのか、ゆうメンタルクリニック総院長のゆうきゆう医師に話を聞いた。
◆ 実験で証明された手法!?
アメリカのダートマス大学のデリア・チョーフィーが実施した実験では、大学生に「冷たい氷水が入ったバケツに、手を入れ続ける」という課題を与えたという。
学生は2つのグループに分けられ、Aグループは「自分の部屋について、細かく思い出しながら手をつけてください」、Bグループは「ただ手をつけてください」という指示を受けた。
実験の結果、Aグループの学生の方が明らかに長時間にわたって冷たいバケツに手を入れていることができたという。
この結果から、人間は「ぜんぜん無関係なこと、特に自分にとってポジティブなものについて考えていると、つらいことであっても長時間実行することができる」ことが判明した。
◆ 嫌な作業は「集中するな」!
「ディストラクション法」の「ディストラクション」とは注意が拡散してしまうことを指す。
上記の実験結果から分かる通り、嫌な作業からあえて「注意をそらす」ことで作業効率向上がねらえる、という仕組みだ。
ゆうき医師によると、一般的に「集中してやれ!」と指導されることが多く、それは正しいことだが
「つらいこと」や「気分が乗らないこと」の場合、かえって集中してしまうことで長時間できなくなってしまう結果にもなりえるという。
そのため「イヤだけどやらなきゃいけないこと」がある場合は、「とにかく自分にとって楽しいことをイメージし続けながら乗り切れ!」という方法を勧めている。
◆ ポジティブな想像をしながら続けることが大切!

ゆうき医師によると、イメージする楽しいことというのは何でも構わず、
「いつかこんな豪邸に住む!」
「推しとデートができたらこんな感じ?」
「お金が100億円あったら何をしよう?」
など、自分にとって気分が良くなることであれば何でも有効だという。
「嫌な作業でも、何かポジティブなことを想像しながら長時間続けていれば、その仕事や勉強に慣れ親しみ、いつの間にか「好き」になっていることもありえる」とゆうき医師は話す。
今日からでも使える簡単なライフハック。
仕事や勉強で行き詰まった時はぜひ思い出してほしい。
【ネットの反応】
・嫌な作業こそ集中しないって逆転の発想が面白い!
・学生時代、お気に入りの曲を歌いながら勉強していた時期がありましたが
無意識のうちにこれをやっていたのでしょうね…
・イヤな仕事中、推しのこと考えてもいいんだ!
・100億円あったら…とかくだらん妄想してたら気が楽になったw
東京大学医学部卒業。精神科医・マンガ原作者。
ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックグループ総院長。
医師業のかたわら心理学系サイトの運営、書籍執筆なども手がける。