減量はがんの予防に有効!?体重と大腸がん発生リスクの関係

肥満は糖尿病を始めとした生活習慣病の原因となることは、周知の事実だ。
では、肥満ががんを発症するリスクを高めることはご存知だろうか?

体重と大腸がんのリスク

最近の研究によると、長期にわたる肥満が大腸腺腫(良性の腫瘍)の発生リスクを高めることがわかった。
長期間増殖する大腸腺腫は、大腸がんにつながると言われている。

研究者らは体重の変化が大腸腺腫の発生リスクにどのように影響するかを評価した。
今回の調査では、1993年から2001年まで, 55歳から74歳までの男女154,942人を臨床的に追跡した。
これは史上初の生涯体重の変化を追う調査となった。

すると、成人期に体重が少なくとも5年におよそ500g減少すると、大腸腺腫の発生リスクが46%低下することがわかった。

男性は減量が有効?

成人期初期から後期にかけて体重が減少した男性では、特に腺腫の発生リスクの低下が顕著だった。
逆に、参加者の体重が増えるほど、腺腫の発生リスクが高くなったという。

研究者らは、男性の方が体重の中でも腹部の占める割合が高いために、体重減少と腺腫のリスクがより密接になっているのではないかと考察する。
また、このリスクの変化はインスリンへの抵抗性(インスリンに対する体の感受性が低下し、その作用が十分に発揮できていない状態)と深く関わっているという。

この研究結果により、肥満の成人が減量することの有益性が示された。

また近年、大腸がんは50歳未満の若年層での発生が大幅に増加しているという。
しかし、診断を受けた人の大多数は肥満でも喫煙者でもないという結果となっており、この要因の特定も進められている。

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