“スルフォラファン”という成分をご存知でしょうか。
九州大学をはじめとした共同研究グループにより、緑黄色野菜などに含まれるスルフォラファンが炎症を抑制する事が明らかになりました。
スルフォラファンとは?
スルフォラファンとは、アブラナ科の野菜(ブロッコリー、キャベツなど)に含まれているファイトケミカル(※)の一種と言われています。また、その中でもブロッコリーの新芽である、ブロッコリースプラウトにはブロッコリーの20~50倍も多く含まれています。
アブラナ科特有の辛味やにおいのもととなる物質が、切ったり、噛んだり、消化吸収されることにより、スルフォラファンへ変化していきます。
そんなスルフォラファンですが、摂取することで身体の解毒力や抗酸化力を高めることが知られています。
スルフォラファンによって生成が促される酵素は100種類以上あり、体内のあらゆる臓器で活躍しているのです。
研究内容
今回研究チームは、炎症性腸疾患(IBD)を悪化させるものが、Gタンパク質共役型受容体「P2Y6R」であることを解明しました。
その研究の中で、 P2Y6R を阻害する化合物を探していたところ、スルフォラファンが P2Y6R と結合し、細胞内への取り込みと分解を促していることを発見。その結果、炎症が抑制されていたのです。
この結果から、将来的に医薬品開発などに応用できるのではと期待されています。
用語集
※ファイトケミカル:植物が紫外線や昆虫など、有害なものから身を守るために植物が作り出した色素や香り、辛味、ネバネバなどの成分のこと。ファイトケミカルとしての例として、ブルーベリーなどに含まれるポリフェノールが挙げられる。