木村先生に聞いた!スポーツメンタルを支える方法。心を安定させるには?

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心の状態は、日常生活始め様々な場面に影響を与えます。
そしてスポーツのパフォーマンスにおいて、メンタルの安定は欠かせません。

最大のパフォーマンスを発揮するために、プロの皆さんはどんなことをしているのでしょうか。
今回、木村好珠先生にお話を伺いました!

木村好珠先生

スポーツ精神科医/産業医/スポーツメンタルアドバイザー
心に関する知識やアスリートのメンタルについて日々情報を発信している。
著書『スポーツ精神科医が教える 日常で活かせるスポーツメンタル』他

―――スポーツ選手の方を対象としたメンタルサポートでは、どのようなことを行われているのでしょうか?

木村先生:

チームをサポートさせて頂く場合は講義でメンタルとは何かだったり、全員に共通する基礎的なことをお話しします。

その後は、個人でのカウンセリングです。

不安の共有もですが、さらに良くなるために、また好調の維持のための方法などを話しています。

個人になるのは、キャラクターも人それぞれなので、気持ちを持っていく方法も人それぞれであるからです。

例えばダニエウ・アウベスみたいな根っからの明るい人とメッシのような内向的な面が強い人がいて、その2人の気持ちの盛り上げ方を一緒にすると、なんとなく違和感を感じませんか?

縁の下の力持ちタイプのリーダーがいてもいいし、俺の背中をみてついてこい!っていうリーダーが居ても良い。

大切なのは自分に無理のないリーダー像がわかっていることですが、選手の中には、リーダーってこういうものという概念に囚われてる人もいるので、その場合は外部の人から、色んなタイプが居ていいんだよ!という助言によって変わるものがあると思います。

でも、何より大切なことは、どうしたら信頼してもらえるかのラポール形成だとおもっていますし、ここが1番の難関だと思います。

私の場合は、挨拶だったり、とにかくグラウンド行って、雑談して、何かあったら話せる関係性を作っておくことを意識しています。

メンタルについてってなかなか言いにくい部分です。アスリートならなおさら。

普通の診察と違うことは、診察は話を聞いてほしくて来てるけど、スポーツについては、むしろ「この人に相談して大丈夫か?」という疑問から入ります。

ですから、この人なら話したい!を作ることがなによりも重要で、これは普段の接し方を何より重要視しています。

―――スポーツにはメンタルの安定が欠かせないと言われています。メンタルの安定を図るために、先生が選手の皆さんにアドバイスされていることはございますか?

木村先生:

メタ認知の部分、自分を客観的に判断すること。

改善点もストロングポイントも具体的に言語化してもらうこと。

この具体的に、が結構難しいんですよね。

なんとなく、という部分をどんどん潰していって、さらに”なんでだろう?”の糸をほぐしていきます。

この時、私の思考を植え付けても意味がないので、自分の言葉で言ってもらうこと。

実際練習するのもピッチで試合するのも本人なので、自分で考えることで実践に繋がるし、達成することで自信につながる。

言語化についても、アスリートは本当に感覚でプロまで上り詰めた方も結構いるので、言語化が苦手な人がいます。

そうすると、例えばイップスになったり、調子が上がらない時に戻し方が分からなくなる。

私たちが普段流暢に日本語を話せるのは、小さい時から日本語を使っているから。

具体的な言語化も小さい時からやっていれば自然とできますが、大人になってからだと訓練が必要になります。

そこを少しずつ一緒に練習していくのも私たちの役目です。

不安は未来の抽象的なことに起こりやすいので、今を具体的に考える、それを意識してもらっています。

―――「言語化」によって自分を客観視することがとても重要なのですね。先生自身は「メンタルを整える」ためにどんなことを行われていますか?

木村先生:

私は、自分が機嫌がいい時の価値を知ってるんです。

例えば、仕事で誰かがミスした時、イライラしてキレたら、相手も恐縮してパフォーマンス落ちて私自身もイライラが続いて気分は良くないですよね。

でも、そこで「よし、みんなでカバーしよう!」って機嫌よく答えられたら、そこにいるみんな幸せになれるので、その空間にいる私は、前例より確実に居心地良く笑えてます。

機嫌良くいた方が、色んな良いことがあるって思うと、機嫌悪いのって勿体無いなーって思うんです。

私は、この”勿体無い”を結構重視しています。

物とかお金ではなく、目に見えない気持ちとか時間の”勿体ない”です。

機嫌悪いことで勿体無いことが沢山ある。

なので、機嫌よくいよう!ってリセット出来るんです。

あとは、自分でどうにか出来ないことって沢山あるので、全部こうならなきゃ!こうしなきゃ!は少ないです。

ある程度”どうでも良い”の幅が広いと思います。

その上で自分でできることだと判断したところは全力で努力する。
そこを自分で納得するまでやっておく。

アスリートにも話してますが、何かあった時自分で焦りを作らない方法は”準備”をどこまで出来ているかです。

そこをやっておけば、あとは仕方ないか!実力不足なところは、また改善していこうって割り切れます。

―――木村先生、本当にありがとうございました!

最大のパフォーマンスを引き出すメンタルづくりの裏側を、垣間見ることができました。

また今回、木村先生がご紹介くださったお話は、選手の皆さんだけでなく、私たちが日々を生きていく上でも大切なことです。

心には、自分にしか見えない部分がたくさんあります。
自分の納得のいく言葉を探し、メンタルを整えて日々を輝かせていきましょう。

木村先生は 著書スポーツ精神科医が教える 日常で活かせるスポーツメンタル」「人づき合いがスーッと楽になる コミュ力アップの法則他、心にまつわるお話やスポーツについて発信されています。
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