タンパク質を多く摂ることで肺炎予防⁉

ダイエットや健康志向の高まりでプロテインなどタンパク質への注目が高まっています。
そんな中で、国立がん研究センターの研究グループがタンパク質について面白い調査結果を報告しました。

そもそもタンパク質とは?

三大栄養素の1つであり、人の身体のほとんどが、タンパク質・炭水化物・脂質から成り立っています。
また、タンパク質には”動物性”と”植物性”の2種類があり、総カロリーが低めの植物性に対して、動物性には脂質も多く、それに伴い総カロリーが高くなりやすい傾向にあります。
ただし、動物性は植物性には含まれない種類のアミノ酸を持っており、体内への吸収率も植物性より高いです。

そして、人体はほとんどがタンパク質からなっているとも言えます。
体の約70%は水分ですが、約20%はタンパク質なのです。タンパク質は人の成長にとっても欠かせない栄養素であり、身体だけでなく脳の発達にも大きな影響を及ぼしています。
また、タンパク質には老化防止の効果もあり、不足すると肌や髪にダメージが出たり、筋肉が損なわれ疲れやすくもなります。

列挙すると、身体は大変重要な栄養素であるとわかりますが、肺炎とはどのように関係しているのでしょうか。

研究内容

今まで同グループは、総エネルギー摂取量に対する植物性タンパク質の摂取量割合が高い程死亡リスクが低い事を報告しています。
しかしながら、死因の上位にある肺炎の死亡リスクについては、タンパク質摂取量との関係はよくわかっていませんでした。

調査の結果、男性では総タンパク質の摂取量割合と肺炎死亡リスクに関連はありませんでしたが、女性では総タンパク質の摂取量割合が高い程肺炎死亡リスクが低い事が分かったのです。(動物性/植物性の違いでは関連は見られなかった。)

男性での関連が見られなかった点について同研究者は、男性は女性に比べて全体的にタンパク質の摂取量割合が低かったことや、喫煙・飲酒のような生活習慣での影響が大きかったことが関連している可能性があると述べています。
それと同時に他の研究から高齢者ではタンパク質の摂取量が多いほど肺機能が高いということや、栄養失調が免疫低下につながるということが分かっています。
そのため、総エネルギー摂取量に対する総タンパク質摂取量の割合が低下しないよう維持することが、肺炎死亡のリスク低下に関係する可能性があると述べています。

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