「寝酒」という言葉があるように、
寝つきを良くするために飲酒をするという習慣は、全世界で一般化している。
また、特に日本人は不眠の解消を目的としたアルコール摂取の割合が高いという。
実際に不眠症患者を対象とした調査では、睡眠薬代わりにお酒を飲んでいる、という回答も多く得られた。
カギは「睡眠の質」
確かにアルコールによって気分が良くなり、リラックスできるという部分はある。
だが実は、飲酒は確実に睡眠の質を落とすことが分かっている。
要因としては、アルコールが分解される過程で脳が活性化されてしまうことや、アルコールの作用と寝る前の水分摂取により尿意で目が覚めてしまうこと等が挙げられる。
これらによって睡眠時間は短く、浅いものとなってしまう。
そしてアルコールに対する耐性もできてしまうため、同じ量ではリラックス効果を感じられなくなる。
そのためよりよく眠りたいという思いから飲酒量が増えていく。
こうしてアルコール依存症になるリスクが高まってしまうのだ。
さらに、うつ病には睡眠の問題が影響している場合も多い。
実は寝る前の飲酒は、さまざまな危険をはらんでいる行為なのである。
かといって、習慣化した寝酒をいきなりやめてしまうと、不眠が悪化する恐れもある。
一人で抱え込まず、心療内科やカウンセリングなど、医療機関への相談が確実だ。