音楽を聴きながらの作業はかえって非効率⁉ー東北大学大学院らの調査

動画サイトでは様々な”作業用BGM”なるものがあり、勉強や何かの作業をしながら音楽やラジオを聴く人は多いのではないでしょうか?

しかし、音楽やラジオを聴きながらの作業はたとえ小さな音であっても、作業への注意レベルが低下する可能性があると同大学院の研究チームが発表しました。

認知機能

日常生活において、1つの情報だけという環境は滅多になく、音や光、映像など様々な飛び交う中で生活している人がほとんどでしょう。

その中でも各自が重要であると認識する情報のみに絞って注意する認知機能として、”選択的注意”というものが働いています。
情報が”音”である場合は、聞きたい音や聞かなければならない音だけに注意を向けます。
一方でその他の不要である音を選択的に無視するはたらきを”超覚醒選択的注意”と呼びます。
研究者の川瀬氏らは、今回選択的注意が必要な作業中に流れる音楽の妨害効果等について研究を進めました。

研究内容

本研究では、全員が右利きであり、尚且つ聴覚障害や脳神経障害の既往がない成人男性12人を対象に行いました。
被験者にヘッドホンを装着してもらい、左耳にはテスト音(注意を向ける”聞くべき音”)を流し、テスト音が聞こえたらボタンを押すという単純な作業を指示しました。また同時に右耳には音楽(BGM”無視すべき音”)を流すということを行ったのです。

左耳には70dBのテスト音を流し、右耳には80~30dBを毎回10dBずつ下げながらノイズと音楽をそれぞれ一定の感覚で流しました。
なお、音量レベルの目安としては以下のようになります。
・40dB・・・図書館内
・60dB・・・通常の会話
・80dB・・・電車内

その結果、右耳にノイズ音を流した場合は左耳のテスト音への影響を受けませんでした。
一方で、音楽を流した場合はテスト音への影響が30dBという一番小さな音でも見受けられたのです。

以上のことから、同氏らは、テスト音に対する選択的注意が右耳に流した音楽によって分散されたと考察し、音楽やラジオを聴きながらの”ながら作業”では、小さな音量であっても作業への注意レベルが低下する可能性があると述べています。

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