「免疫力」という言葉は、いま様々な媒体で取り上げられている言葉と言えるだろう。
新型コロナウイルスの流行などをきっかけとして、登場する機会が増えていると考えられる。
免疫力とは
免疫力とは、体内に侵入してきた細菌やウイルスや、体内で生まれた異常な細胞(がん細胞など)を攻撃し排除するシステムのことをいう。
そして「免疫力が高い」とは、このシステムが強固な状態を指す。
そしてこの免疫システムに大きく関わっているのが「腸」である。
腸で作られた免疫情報は、全身の免疫に影響を与える。
例えば感染を予防するための抗体は、腸内細菌の作る短鎖脂肪酸(抗炎症作用などに優れる有機酸)を必要とする。
つまり腸内環境を良くすることは、全身の免疫システムを整えることにつながるのだ。
では、腸内環境を良くする、というのはどういうことだろうか。
そのキーは「多様性」にある。
腸内細菌の多様性が、免疫を強固なものにするのだ。
そして偏った食事は、腸内細菌の多様性を失わせる。
肥満の人は、腸内細菌の多様性が肥満でない人に比べ、2割も低い例がある。
また腸管の疾患を持つ人の腸を調べると、こちらも同様に多様性が失われているという。
腸内細菌の多様性が失われると、炎症が起こりやすくなるためだ。
免疫に欠かせない食品
欧米で行われた便の研究では、1週間に30種類以上の野菜類や果物類を食べる人は腸内細菌の多様性が高く、悪玉菌が少ないことがわかっている。
とはいっても、日常生活で何種類も意識的に食材を選ぶのは難しい。
今回は具体的にどのような食べ物が良いのか紹介する。
★プロバイオティクス
腸内で人体に有益な働きをする細菌や酵母のこと。
これらは以下のような食品に含まれる。
・味噌
・キムチ
・納豆
・ヨーグルト
★プレバイオティクス
大腸の特定の細菌(善玉菌など)を増殖させることで、人体に有益に働く食品成分のことを指す。
いわゆる善玉菌のエサや食物繊維のことだ。
これらが多く含まれる食品は次のとおりだ。
・ブロッコリー
・アボカド
・玉ねぎ
・豆類
・きのこ類
上記の食物を摂るほか、運動や良質な睡眠で腸内環境は整っていく。
まずは1品、今日の献立に取り入れてみてはいかがだろうか。