コロナ禍でメンタルヘルスが悪化…ー日本国内の労働者への影響を東京大学らが研究

一難去ってまた一難。落ち着いてきたと思われていた感染が、ここ最近増加傾向にあります。
コロナウイルスの感染爆発から2年以上経過し、流行前とは生活環境や様式が大きく変化した人も多いのではないでしょうか。
また、外的なものだけでなく、メンタルヘルスにも大きな影響を与えていることが考えられます。
そこで、東京大学を始めとした研究グループが日本国内のフルタイム労働者(20~59歳)の1,448人を対象にオンラインで追跡調査を行いました。期間としては、流行開始後の2020年3月~2021年10月までの計8回実施しました。

そして、今回は研究結果から2つのポイントを抽出しました。

①メンタルヘルスが悪化している職業、年代

労働者のメンタルヘルスがどのように推移しているか調査した結果、一般労働者に比べ医療従事者のストレスが悪化していることがわかりました。こちらについては既に承知の上であるが、一般労働者に比べて流行状況に関わらず一貫して心理ストレスが悪化していました。

また、一般労働者の中でも高学歴のグループと低学歴のグループに分けて推移を比較。
その結果、2020年3月~8月の間全体的に悪化したものの、低学歴のグループが特にストレスが増していたこと、加えて精神科受診歴があり39歳以下の若年労働者が特に悪化していた可能性があると研究者は述べます。

②在宅勤務と通勤での比較

期間を通して、在宅勤務者と通勤者をメンタルヘルスの観点から比較したところ、すべての点で在宅勤務をしている人がメンタルは良好であったのです。これは研究者曰く、コロナ禍で在宅して勤務することが、メンタルヘルスを保護するように働いたのではと指摘しました。

研究者は今回の結果から、「イライラや不安などの感情は次第に改善傾向にありますが、不定愁訴(※)は継続的に悪い状態が続いていました。特に女性と若年層でメンタルヘルスの悪化が見られた。」と述べました。
一方でメンタルヘルスへの良い影響としては、職場内ので感染対策徹底、コミュニケーション、職場内での支援、コロナ関連のハラスメント防止を上げています。

流行終息の目途がつかない今、対策もしつつ、いかにストレスをためない働き方を進めていくかが必要になります。

※不定愁訴: 倦怠感、頭痛、微熱感、不眠などのようにに何となく体調が不調であると自覚症状があるものの、検査をしても原因となる病気がわからない状態)

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