電気をつけて寝るのは危険!?光が体へ及ぼす影響

研究者たちは最近、睡眠中に光を浴びることによる健康への影響を調査した。

この調査により、一晩中でも光にさらされると、睡眠中の心拍数が増加し、翌朝の糖代謝が損なわれることが発見された。
ここから研究者は、照明をつけて寝ることにより糖尿病や心疾患のリスクが上がる可能性を報告している。

人工照明の光を浴びることは、世界的に広く行われており、健康や福祉への悪影響と関連している。

研究チームは20人の若者を集め、2泊3日の実験を行った。
実験では、被験者をランダムに次の2つの睡眠条件のどちらかに割り振った。

▼グループ1
1日目は3ルクス (lx) 以下の薄暗い照明で、2番目の夜は100 lxの頭上の室内照明をつけて眠る。

▼グループ2
薄暗い光の状態:2日とも3 lx未満の薄暗い光で眠る。

そして実験の1日目と2日目に、参加者のメラトニンと血糖値を測定するために食事の前後に血液サンプルを採取した。
また、睡眠の質を評価するために終夜睡眠ポリグラフ検査 (PSG) やアンケートも行った。

すると、100 lxの室内照明を一晩当てると、睡眠中の心拍数と翌朝のインスリン抵抗性(インスリンに対する身体の感受性が低下し、インスリンの作用が十分に発揮できない状態。)が増加することが発見された。
また、薄暗い 3lxの照明条件と比較し、睡眠中に100 lxの照明に曝された参加者は、レム睡眠も少なかった。

研究チームは、人工照明と心拍数および糖代謝に対する観察された影響との関連を次のように説明している。
「心臓の変動性の変化とインスリン抵抗性の間に関係性があったため、光が自律神経系を調節する脳領域を活性化すると仮定できる」

この研究では、光の強度、持続時間、波長の変更の影響は加味されていない。
そして現在、スマートフォン、タブレット、PCなどの夜間の使用が劇的に増加している。

よって、光にさらに注目し、ブルーライトと心血管代謝機能障害との関連性 の調査も今後の課題だという。

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