ペンシルベニア州立大学の研究チームにより、アルコール中毒に関する実験研究が行われた。
今回の研究では、足首にはめる形のブレスレット型検知器を用いて、微量の汗からアルコール濃度を検出する、という方法を取った。
この方法は、現在一般的に行われている呼気検査とは大きく異なる。
まず、今回の方法では摂取したアルコールの1%が、汗として排泄されるため、血中アルコール濃度を推定することができる。
汗に含まれるアルコール濃度は、血液中の濃度とほぼ同じである。
これにより、皮膚からの検査は、採血よりも簡易ながら血中アルコール濃度の測定ができる優れた方法と言える。
そして、汗に含まれるアルコールは、ゆっくりと排出される。
そのため、飲んですぐに血中アルコール濃度を確認する場合は、呼気検査の方が有効となる。
そのため、飲酒運転の取締などには呼気検査が用いられている。
一方で、飲酒量や、飲むスピード、体内のアルコール残量などは、呼気検査では把握できない。
ここで、血液検査と同じように血中のアルコールについて把握できる汗の検査が有効となってくる。
また同じ量のアルコールを摂取したとしても、中毒になるかどうかは、様々な要因に左右される。
(例えば飲む速さや直近の食事内容など)
今回の研究によって、アルコールによって引き起こされる被害を抑制する技術の発展が期待されている。