今週、イギリスの医学誌で面白い研究報告がありました。
皆さんは世界的な人気を誇るアメリカのマーベル作品をご存知でしょうか。
その作品に登場する5人のスーパーヒーロー達が辿る老後を予測したとクイーンズランド大学の研究者らが発表しました。
映画に登場するスーパーヒーロー達それぞれが独自の能力、個性、行動力を兼ね備えています。
今回研究者は、ヒーロー達の現在の健康状態と、将来的な変化の関連性を検討するため、2008年~2021年に公開された24のマーベル作品を視聴しました。
5名のヒーローには加齢に対して以下のような共通点が挙げられるようです。
まず、健康的な加齢に影響する点としては、3つあります。
1点目は定期的な身体活動や運動を行っていること。
2点目は社会とのつながりや結束をもっていること。
これは認知症のリスク低下に関連しています。
3点目はポジティブ思考であり、心理的な回復力と目的意識が高いことです。
その一方で不健康な加齢に影響する点としては、戦闘時の爆音や大気汚染、頭部損傷に幾度となく晒されているため、将来的には認知症の発症や身体的な損傷、障がいを及ぼす恐れが高いと分かりました。
5人のスーパーヒーローそれぞれの老後は?
さらに研究者のFox氏達は、症例研究として以下5名のヒーローについてもそれぞれ報告しました。
①アイアンマン(トニー・スターク)
②ハルク(ブルース・バナー)
③ブラック・ウィドウ(ナターシャ・ロマノフ)
④ブラック・パンサー(テイ・チャラ)
⑤スパイダーマン(ピーター・パーカー)
アイアンのトニー・スタークは非常に裕福かつ高学歴であるため、認知症のリスクが軽減されるようです。
また、ブラック・パンサーのティ・チャラもまた、国王であるため社会経済的地位が高く菜食主義者であるため健康的な老後が期待できます。
一方で、ブルース・バナーは怒りなどの負の感情により心拍数が急上昇することで超人ハルクに変身できるため、肥満と心疾患などの慢性疾患を発症する恐れがあります。
ブラック・ウィドウについては、幼少期のトラウマとなる経験から、将来的には精神的疾患のリスクが高いと推測しました。
最後にスパイダーマンは体力や柔軟性、敏捷性に優れていることから高齢時の転倒リスクは軽減されるようです。
しかし思春期の若者でありながら、毎晩犯罪者と戦っているため、同年代へ推奨されている8~10時間の睡眠時間を確保できていない可能性があるのです。
そのため、肥満や精神衛生の低下、不慮の事故発生などのリスクが高まる恐れがあるそうです。
これまで、スーパーヒーローたちは宇宙平和に大きく貢献していきました。
しかしながら、研究者っは、今後世界的に高齢化が進んでいく中で、質の高い健康と社会的ケアを提供する方法などを焦点にあてていくことをオススメすると提案しています。