総合診療医 DIO先生が教える!実は危ない!便秘対策の重要性

特に女性に多いと言われる、便秘症。
お腹が張ったり、肌や体の調子も何となく優れなかったりして、つらいですよね。
「体質だから…」と諦めて何もせずにいると、体に危険を及ぼすかもしれないんです。

そこで今回、おすすめの便秘対策をDIO先生にお伺いしました!

DIO先生

総合診療医
日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医。
総合診療・家庭医療、医学についての情報を発信している。
note「総合診療医DIO」

―――便秘はよくあることと、ついないがしろにしてしまう方も多いです。深刻化した際にはどのようなことが起こるのでしょうか?

DIO先生:

便秘症が深刻化すると、便秘症そのものによる腹痛・腹部膨満感などが起こるだけでなく、倦怠感や食欲不振、吐き気や肩こりなどの症状が起こることもあります。

また、慢性便秘症の人はそうでない人と比べて生存率が低下するリスクが高いという研究1もあるため、便秘症自体、要注意の疾患です。

更に、便秘症が引き起こす病気として、腸閉塞や虚血性腸炎と言った病気があります。

便が腸管の中で詰まってしまって肛門側に移動出来なくなると、腸閉塞という状態となり、腹部の激痛・嘔吐などが起きます。

その場合は入院して必要な処置を取るなどの必要がありますし、放置していると腸管が穿孔して命に関わることもあります。

同じように、詰まって動きにくくなると、そこで腸管を栄養する血管がうまく腸管を栄養できなくなり、感染症を起こしやすくなることもあります。

―――便秘が深刻化した際は、病院ではどのような対応を取られるのでしょうか?

DIO先生:

便秘には基本的には緩下剤や刺激性下剤などを使用して、便を柔らかくする、または、腸管を動かすような薬剤を使って普段の便秘をコントロールして頂きます。

深刻化して突然腹痛が起きたようなときには、グリセリン浣腸を行ったり、時には摘便と言って便を用手的に出すこともあります。

―――先生がおすすめされる「便秘の予防・解消法」等がございましたら、お聞かせいただきたく存じます。

DIO先生:

便秘の原因は様々ですので一概には言えませんが、一般的には便秘症の場合にはトイレにきちんと行くこと、食物繊維を十分摂取することなどを指導します。2

野菜中心の食事、軽い運動など、食事や運動の見直し、また、ストレスを減らすなどの工夫も必要になります。

また、水分不足の人には水分摂取を促す場合もあります。

ただし、上記で述べた通り、便秘は実は怖いこともある病気ですので、「こんなこと相談していいのだろうか…?」等と思わずに、無理せず早めに医療機関にご相談頂きたいと思っています。

―――総合診療医として、インフルエンサーとしてご活躍される先生ですが、発信の際に工夫・意識されていることがございましたら、お教えいただけますと幸いです。

DIO先生:

医療情報は個別性も高く、必ずしもエビデンス通りの治療がその患者さんにとってベストとは限りません。

そういうわけで、「こういうエビデンスがあるよ~」というお話はしても、「こうしたほうがいい!」というような断定は避けるように心掛けています。

また、患者さんの特定に至るようなことはTweetしない、個別の医療相談には乗らない、などは注意が必要でしょうか。

私のTweetを見て頂いた人が一人でも多く、「健康」になり、幸せな生活を送って頂ければ私にとってもこの上ない幸甚です。

この度はお話する機会をいただきまして、ありがとうございました。

総合診療医DIO 拝

―――DIO先生、本当にありがとうございました!

便秘を放置しておくと、体に様々な悪影響を及ぼすことが分かりました。
便秘を予防・解消するためにも、食事や運動に気を配り、水分補給やトイレにきちんと行くことも意識していきたいですね。
そして症状がひどい場合は、早めに医療機関に相談しましょう。

DIO先生は 、Twitterのほか、note総合診療医 DIOやTwitterにて、総合診療・家庭医療、医学についての情報を発信されています。
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参考文献
1)Am J Gastroenterol. 2010 Apr;105(4):822-32.
2) 日本消化器病学会関連研究会慢性便秘の診断・治療研究会 編:慢性便秘症診療ガイドライン 2017

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