今月、常識を覆すかもしれない発表が順天堂大学などの研究グループからありました。
それは、加齢によって起こる疾患への治療に応用できるかもしれないワクチンの開発に成功したというものです。
生活習慣病やアルツハイマー病は加齢や肥満などによって、発症・進展することが知られています。
しかしながら、どうやって発症したり、進行するのか仕組みはよくわかっていないのです。
研究グループでは、20年以上にわたり加齢による病気の発症メカニズム研究を行ってきました。過去には、加齢やストレスによって組織に老化細胞が蓄積、それにより引き起こされる炎症が、加齢により病気の発症などに関わっていることを明らかにしました。
最近では、蓄積した老化細胞を除去することで、加齢に関連した病気の老化形質を改善できる可能性を示しました。
これまでに知られている老化細胞除去薬は、抗がん剤として使用されるものが多かったのです。しかしその薬剤はいずれも副作用が強いものばかりでした。
そこで研究グループは今までの薬剤よりも、より老化細胞だけに作用し、副作用の少ない治療法の開発を行いました。
これにより、加齢に関連する病気に対する新しい治療方法となる可能性が示されました。
今回の研究では、糖尿病や動脈硬化などに対する改善効果がや寿命延長効果が確認できたとの事で、今後はアルツハイマー病などの様々な疾患での検証と臨床応用が期待されると研究者は述べています。