現在、成人のADHDに対する認識は高まりつつあるが、いまだに多くの人がさまざまな理由でADHDと診断されずに生活している。
しかし、実際は成人の2.8%がADHDであると考えられている。
ADHDの主な特徴は次の通りだ。
・やるべきを開始できなかったり、最後まで続けてできない。
・1つのことに集中できず、他の仕事や考えに気を取られやすい。
・落ち着きがない。
・意図せずに他の人の邪魔をしてしまう。
ADHDの症状は成人でも小児でもほぼ同じだが、加齢とともに現れ方が異なる。
治療が必要な理由
ADHDは治療をしないでいると日常生活に支障をきたす。
それは、生活の質の低下に始まり、ひいては失業、自殺などのリスク増加の可能性が高まるという。
そしてADHDの人はADHDではない人に比べて、精神的な問題も引き起こされやすい。
例えば気分障害のリスクは3倍以上、不安障害のリスクは2倍、摂食障害および肥満のリスクも上がっているという。
さらに、ADHDの成人の約7割は感情のコントロールに困難を感じている、という報告もある。
診察・治療する環境を整えることは、ADHDを持つ人がその症状とともに生きていくための第一歩となる。