『ストレスが全くない人生』は生きやすいの?【精神科医が分析】

『ストレス社会』と揶揄されるほど、仕事や家庭、友人関係、さらには趣味にまでもストレスがあふれている現代。
そんな環境にいると、ついつい「ストレスのない生活」を理想と考えることもあるだろう。

しかし、ストレスを完全になくすことが本当に幸せにつながるのだろうか。
ゆうメンタルクリニックの佐藤一医師に話を聞いた。

◆ストレスがあるからこそ、幸せを感じる!?

佐藤医師によると、ストレスがまったくない生活になると、逆に退屈さを感じてしまうものだという。

「人間は、変化や成長によって強い幸福を感じる生き物です。できなかったことができるようになる、病気が治る、好きな人と付き合えるなど、いずれも『ストレス状況から抜け出す』という変化の瞬間だからこそ幸せを感じるのです」と佐藤医師は話す。

ストレスがなければ、次に訪れる喜びもなくなるため、ストレスは幸福の前提条件といえる。
「筋トレで負荷が必要なように、ストレスは人生の成長における負荷なのです」と佐藤医師は説明する。

◆ストレスは成長のためのサイン

日常的なストレスに直面したとき、多くの人は「こんなストレスがなければいいのに」と考える。
しかし佐藤医師は「ストレスがあるからこそ、改善した瞬間に達成感や喜びが得られます。ストレスを完全な敵とみなすのではなく、成長のためのサインととらえてみましょう」とアドバイスする。

また、こうした発想の転換によって、ストレスそのものへの嫌悪感が薄れ、気持ちが前向きになる可能性があるという。

◆ 重すぎるストレスは要注意

もっとも、強すぎるストレスが長期間続く状態は心身に悪影響を及ぼす。

「どうしても耐えられないほどのストレスなら、逃げることも選択肢です。逃げられない場合は、メンタルクリニックや専門機関に相談するのも有効です」と佐藤医師は話す。

◆ まとめ

適度なストレスは人生に彩りと成長をもたらす。
「ストレスが来たときこそ、次の喜びが待っていると考えると、少し気持ちが軽くなります」と佐藤医師は語る。

日常の中の小さなストレスなら、「これを乗り越えたらきっと良い変化がある」と思ってみるだけでも、少し前向きになれるかもしれない。
今日から少しだけ意識して、ストレスは『幸せの前段階』と見方を変えてみてはどうだろうか。

【ネットの反応】

・筋トレの負荷と同じって例え分かりやすい!

・ストレスも悪いだけじゃないんですね。

・耐えるのが前提なのはちょっと違う気がする…

・今日からちょっと前向きに考えてみようかな

佐藤 一
東京大学医学部卒業。専門領域は発達障害と心理分析。
現在はゆうメンタルクリニック顧問。
大学ではコミュニケーションスキルの研究を主に行っており、「いかにうまく気持ちを伝えるか」をテーマとして書籍を執筆中。
最新情報をチェックしよう!